こんにちは!
シュフで2児の父、シロイクジラです。
みなさん、PTAの加入が自由だって知ってました?
知らないですよね。だって学校でそんな説明受けたことないし。
ぼくも、全く知りませんでした。
公務員やってたのに、反省です。
でも、加入が自由ならPTAをやめるのも自由なんですよね。
ということで、いろいろ悩んで、2023年3月31日をもってPTAを退会しました。
退会までの経過と、実際に退会した方法をご紹介します。
【2023.8.25追記】PTA退会後もデメリットなし!
先に結論から。
PTAを退会して約半年が経ちましたが、退会によるデメリット・不利益は一切ありません。
むしろ、余計な会議もない、役員としての行事参加もない、PTA会費も払わなくていい、
と退会はメリットばかりだと感じています。
卒業式の卒業証書入れやコサージュについては、春に「PTA非会員には配布しない」方針だと言われていましたが、
校長を通じて、「PTA非会員にも配布する。非会員の子どもを差別するようなことはしない」と言われました。
退会して困ったことは、何ひとつありません。
PTA活動への疑問
まず、なぜPTAをやめようと思ったかについて。
生贄の儀式
PTAへの一番の疑問は、学級委員を互選という名の生贄方式で決めることです。
新学期、クラスの子どもの名前が記載された一覧と投票用紙が配布されます。
その一覧の中から3名の名前を書いて投票します。
自分が委員にならないように。
自分の身を守るために、他人を犠牲にするわけです。
まさに生贄。
ぼくはそれがイヤなので、白紙で投票してきました。
どうなるかわかりますよね?
多数決により、ぼく自身が生贄に差し出されるんです。
子どもの頃に読んだ、インカ帝国かアステカ帝国の生贄の儀式を思い出しましたよ。
ずっと役員にならない人
PTAの仕組みはよくわかりませんが、ひとりひと役ではなく、学級委員もやって専門部会の役員もやるパターンがあります。
我が家は、ぼくが学級委員で妻が専門部会の役員。
一方で、6年間役が当たらない人もいるそうです。
おかしくないですか?
「じゃあ、やってない人にもやらせよう」となるのがブラックPTAの発想だと思います。
でも、よくよく考えたら「PTAのあり方そのものがおかしいよな」と思ったんです。
不毛なベルマーク集計
ぼくが専門部会の役員をやっていた時、ベルマークの集計に参加しました。
生産性の低いこと。
1時間の活動で何円分を集計したのかわかりませんが、ホントにムダだなと感じました。
そんなムダな作業を楽しむ、あのベテランが出す雰囲気にも耐えられませんでした。
ベルマークの番号を聞いてどの企業かを当てて楽しんだり、レア企業のベルマークを見つけてはしゃいだり。
まさに不毛でした。
不思議とサルトルの『嘔吐』が思い浮かびました。
コロナで活動なかったけど問題なし
コロナになって学校行事が縮小されました。
わかりやすいのが運動会。
これまでぼくは運動会の手伝いで、ゴールした児童を、賞状を渡す本部席に連れて行く業務をやってきました。
ゴールと本部席を行ったり来たり。
結構大変なんですよね。次から次へと来るから。
それがコロナになって、保護者が手伝うことができなくなりました。
たぶん先生が代行したか、そもそも賞状の配布を後日にしたんだと思います。
そう。
工夫すれば、保護者の手伝いなしに学校行事ができるんです。
じゃあ、PTAはいらないよね。
子どもに胸をはれるのか?
PTAに対していろんな疑問がある。
しかも、実は入会は強制ではなく自由。
では、子どもにとって一番身近な見本である自分は、親としてどうあるべきなのか。
「自分が楽をするためには他人を生贄にすればいいんだよ」
「理不尽なことでも周りにあわせないといけないんだよ」
「自由なんてものはないんだから、ガマンしないといけないんだよ」
親として、こう教えろということなのか?
違いますよね。
人間は自由だし、不都合なことがあれば自分で行動して変えればいい。
本当に教えないといけないことはそういうこと。
だから、理不尽なことに自分の意志で立ち向かう姿勢を子どもに見せるためにも、退会することにしました。
大谷真樹さんの『世界で学べ』の影響を強く受けたからかもしれません。
退会までの経緯
退会のきっかけ『さよなら!理不尽PTA』
ぼくの退会のきっかけは、『さよなら!理不尽PTA』という一冊の本です。
テレビでPTA問題を知って、アマゾンで一番読みやすそうな本を選んだような気がします。
履歴では、2022年4月20日に注文しています。
本当は論点が整理できればすぐにでも退会しようと思っていましたが、コロナでPTA活動が一切中止になったので、年度末退会に向け、ゆっくり準備することにしました。
それまではPTAに理不尽さは感じていたものの、何が問題なのかを表現することができませんでした。
本書を読んで、PTAの抱える問題と退会についての全体像をつかむことができました。
- PTAの問題点を整理することができた。
- PTAが法律的にあやしいことがわかった。
- 退会までの流れがイメージできた。
- 退会が難しくなさそうだと感じることができた。
本のレビューもしていますので、よろしければこちらもご覧ください。
ツイッターで情報収集
当初はネットで情報を検索していましたが、途中からツイッターの方がよりリアルな情報があると感じ始めました。
ツイッターで「PTA」を検索すると、ものすごい量の情報が出てきます。
それだけ、全国の保護者がPTAで悩んでいるということでもあると思います。
ツイッターの良いところは、悩んでいる保護者だけでなく、PTA問題に関心のある現役PTA役員や、大学教授や弁護士といった法律の専門家なども情報発信していることです。
特に「#PTAの加入は自由」で検索すると勉強になる情報がたくさん見つけられますので、情報を集める際の参考にしてください。トレンド入りもしてますよ。
そしてある時、ふと思ったんです。
「あれ?PTAって法律違反しすぎじゃない?」
退会マニュアルがある!
PTA退会に関するマニュアルや、退会届の様式を作ってくださっている方がいることもわかりました。
ツイッターってスゲー!
コレは本当に便利です。
非会員になる場合、退会する場合は絶対にチェックすべきだと思います。
PTA退会マニュアル
PTA退会届3点セット
法律まわりの整理
前述しましたが、調べれば調べるほど、PTAの法律違反が目につきました。
ぼくは元公務員なのですが、役所の仕事は1つでも法律に違反したら大ごとになります。
なのに、なんで違反が何個もあるの・・・?
やっぱり組織としてのあり方そのものがおかしいのでは?と思わざるを得ませんでした。
ということで、自分なりに整理したのがこの記事です。
何が問題なのかをもう一度洗い出すとともに、もし退会を拒まれた時にどこから攻めればいいかを考えるためにも役に立ちました。
退会届を提出
ここまでのことを踏まえ、退会届を2023年3月30日に郵便局から発送しました。
ちなみに、退会届を提出するまでは、PTAにも学校にも一切相談していません。
相談すれば説得されるのがわかっていたから。
仮に何かを相談するにしても、退会届を出してからと決めていました。
退会届の内容
ぼくが提出した退会届はコレです。
内容については、先に紹介した、かなっつさん(@kyasodk76)の退会届の様式を参考に、少しアレンジしました。
気を付けたポイントとしては
- できるだけシンプルに(大切なことは退会すること。論点が退会からズレないように。)
- 個人情報利用停止請求書は出さず一枚にまとめた(論点を退会に限定したかったため。個人情報については本文に落とし込みました。多少の漏洩は覚悟していました。)
- 総理大臣と文部科学大臣の答弁を明記(総理大臣と文科大臣の発言を覆す根拠を持っているはずがないため。総理答弁のネット記事を同封しました。)
岸田総理大臣の国会答弁の新聞記事はコチラ
配達証明で送付
退会届は郵便局から配達証明で送りました。
配達証明とは「相手先に配達したという証明書を郵便局が発行してくれるサービス」です。
配達証明を使うと、後日郵便局から「配達証明書」が自宅に届きます。
郵便局の方に窓口で教えてもらった配達証明と書留の違いです。
郵便はたまに事故が起きます。
相手から「届いてない」と言われないために配達証明にしました。
(後々もめた時に、「いつ配達した、という事実が必要になるかもしれない」という不安もありました)
ちなみに、料金は「普通の郵送料(84円)+一般書留(435円)+配達証明(320円)」でした。
退会したのに生贄推薦用紙が届く?
前述のとおり、2023年3月31日付けで退会届を提出しました。
それから何の音沙汰もなかったのですが、
4月10日、息子たちがあの生贄の書類を持って帰って来ました。
しかも、うちの子の名前が書かれている・・・
退会届が受理されてない?
個人情報漏洩?
非会員への嫌がらせ?
単なる事務ミス?
いろんなことを考えましたが、次のような文書を作成し、翌日子どもに持たせました。
正式退会!|質問への回答が届く
4月17日、PTAから書類が郵送で届きました。
正直少し不安もありました。
ツイッターを見れば見るほど、PTAのブラックさがわかっていたからです。
でも内容は、「ぼくの退会」と「保護者の入退会の自由」を認めるものでした。
ファーストペンギンの座もゲットしてしまいました
今後に向けて
4月17日の回答文書には、「今後に向けた話し合い」についても記載がありました。
先に紹介した、やっぱさん(@nyuukaisei_pta)の退会マニュアルによれば、基本的に話し合う必要はありません。
なので、当面はスルーするつもりです。
ただし、長男が小学6年だということもあり、卒業式関係で必ず何かが起こると思うので、いずれ話し合いの場面があるかもしれません。
個人的には卒業記念品も謝恩会も不要だと思っていますが、これに関しては子どもの意向も確認しないといけないと思います。
なので、時間をかけて考えたいと思います。
中学校や高校でのPTA活動については、非会員でいくつもりです。
PTA退会の資料まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この記事を読んでいただいたということは、PTAに悩んでいて退会や非加入を検討しておられるからだと思います。
なので、最後に、退会・非加入の際に使える武器をご紹介します。
すでに紹介したものも再掲してありますので、記事に戻らなくても大丈夫です。
みなさんが自由を取り戻すことを、心から願っています!
PTA関連本|『さよなら、理不尽PTA!』
ぼくはまだまだアナログなので、モノゴトを俯瞰して見る時は本の方が見やすいです。
ネットだといろんな情報があちこちに散逸していますが、本だと要点がまとまっていますので、頭の中を整理する時にも便利でした。
PTA退会マニュアル
やっぱさん(@nyuukaisei_pta)のPTA退会マニュアルを読めば、セオリーを把握できます。
あとは、相手の出方にあわせて動くだけ。
決して主導権は渡さず、反撃に徹するイメージですね。
退会届3点セット
かなっつさん(@kyasodk76)の退会届は、見ていただければわかる通り、とても簡単ですぐ書き終わります。
退会に際して一番のネックは、書類というより自分自身の気持ちですね。
退会届提出後の学校・PTAのやりとり動画
実際に退会届を出した後、どんな反応があるか想像しておくのもいいと思います。
MOCOPOCOさん(@mira_poppy358)のこの動画は非常にわかりやすいです。
ぼくもこれで対応のイメージトレーニングをしました。
総理大臣・文部科学大臣国会答弁(2023年3月3日 参議院予算委員会)
「PTAの入退会が自由」である根拠は「総理大臣がそう言っている」だけで十分だと思います。
むしろ、その一点張りの方がいいと思います。
「私じゃなくて、総理大臣が言ってるんです」と。
ツイッターにいただいたコメントを見て思ったのですが、相手が「保守的」であればあるほど、総理大臣の発言が効果を増すような気もします。
#PTAの加入は自由 フリーアイコン
いきなり声を上げるのは難しくても、少しずつ仲間を増やしていくことで退会しやすくなると思います。
ランドセルが重すぎるさん(@fUKUuR6YW6jDHUs)のアイコンはフリーで使えますよ。
弁護士による意見書
PTAの違法性を指摘している弁護士さんもいます。
結社の自由が、憲法上重要な人権として保障されている以上、弁護士会など憲法や法令で加入が要請されている特別な場合を除いて、あらゆる組織は任意加入を前提としており、組織への加入を強制することは人権侵害として許されません。
(中略)
それにも関わらず、未だに任意加入団体であることや、必ずしも加入する必要はないことなどの説明すらせぬまま、入学した生徒の保護者を自動的に加入させるPTAが存在します。
このようなやり方は明白な人権侵害であるばかりか、「知らなかった」では済まされない悪質な行為であり、PTA会長の法的責任が問われてもおかしくない事態といえます。そもそも、人権を擁護すべきPTAが率先して保護者の人権を侵害しているという認識をPTA会長以下役員の皆様にお持ちいただければと存じます。
大橋法律事務所「PTA加入に関する意見書」より引用
法学者によるPTA法律問題
木村草太さんのように、PTAの問題点を指摘している学者さんもいます。
このため、保護者に対して PTA 加入を義務付ける法律は存在しない。従って、PTAは、その活動や規約の内容にかかわらず、全て任意加入団体ということになる。「すべての保護者は PTA 会員である」と書かれた規約があっても、法的には無意味である。
(中略)
こうした問題の解決は容易である。まず、主たる契約内容を誤解してなされた入会申込みは、民法上、錯誤無効となる(民法95条)。強制加入と誤信したり、加入時に説明のなかった業務が耐え難いものであったりした場合は、PTA に対し、入会の申込みは錯誤に基づく無効なものであり、自分は非会員だと伝えればよいだろう。
(中略)
PTA に関するトラブルは、① PTA が、加入の任意性・活動内容・会員の負担等を明確に説明すること、② PTA が、学校施設を利用した活動や学校内でのプレゼント配布で、非会員やその保護する子どもを排除しないこと、③学校は、PTA が会員限定サービスを行う場合には、学校施設を利用させないこと、の三つの条件を充たせば解消する。これらはいずれも、PTA と学校に対する法の要求であり、冒頭でも述べた通り、PTA 問題は、遵法によって解決できるのである。
「月報 司法書士 2020.2 No.576」より引用 https://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/05/202002_04.pdf
かなへび文庫によるPTA法律違反まとめ
ぼく書いたまとめ記事です。
相談機関や弁護士などに相談する時のたたき台としてお使いください。
さいごに
考えれば考えるほどおかしなのがPTAです。
これまでのPTA活動、子どものためになりましたか?
もちろん、法律を守って適正に活動しているPTAも世の中にはあると思います。
PTAのメリットとデメリット。
それぞれよく考えて、判断していただければと思います。
さいごに。
なぜ、我々はこれまでPTAに嫌々加入してきたのか?
それは、我々の無知とPTAの説明不足だと思います。
でも、「PTAの加入は自由」を知ってしまった以上、どうするかは我々個人の責任です。
ところで、社会学者の宮台真司さんは、ジャニーズの性被害問題に対しこのような趣旨の発言をしています。
ブラックPTAを想像して読んでみてください。たぶんしっくりくると思います。
日本には社会的公共性が欠如している。
反倫理的な行為であっても、「みんなやってきたから」という理由で、その行為に従う習慣がある。
社会的におかしいと思っても声を上げることができない。
「オレたちがみんなやってきたからお前だけやらないのは許されない」や「言っても変わらないなら言うだけ損だからやめよう」となる。
そのように、反倫理性を認識しながら声を上げないこと、行動しないことは、それらの行為に「不作為によって加担した」と言える。
つまり、そのような事実を意図的に見逃したということで、その事実が継続することを追認したことになる。
それは、自分が行動しないことによって、次の被害者を生むことを黙認することにつながる。
「ジャニーさんのおかげで有名になった」と言うアイドル、「売れっ子を回してもらえなくなる」と報道をしないテレビ局、「仕事がなくなる」ことを恐れ問題に触れないコメンテーターなど、このような人たちが事実を公表しないという「不作為」によって、新たな被害者がずっと生まれ続けてきた。
なぜ、声を上げて糾弾しないのか?
判断基準が損得だけだから。
周りを見てみんなと同じにしないと自分だけ損をするから。
つまり、人間としての貫徹した価値観がないから。
かつて三島由紀夫は日本の天皇主義が一夜にして変わったことを「空っぽ」と揶揄した。
日本人は現代に至っても本質的に何も変わっていない。
まさに日本人の劣等性のあらわれ。
では、どうすればいいのか?
問題の本質は、実は我々一人ひとりにあるということだと、ぼくは受け止めました。
「PTAはおかしいけどみんなもやってるから」
「PTAは理不尽だけど自分が言っても変わらない」
「PTAをやめたら役員にイジメられる」
そうやって加入を続けることで、PTA違法性が見過ごされ、次の世代にまで引き継がれてきた。
ぼくがPTA問題を考え始めた時の最初の疑問。
「なんでこんな違法行為が全国で何十年も見過ごされてきたのか?」
その答えを探してきたぼくにとって、宮台さんの発言はとてもわかりやすかった。
だから、ぼくはPTAを退会してよかったと思う。
他の保護者から何を言われようとも。
声を上げてよかったと思う。
そうしないと、いつまでも「彼ら」と同じままだから。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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