こんにちは!
シュフで、小学5年と2年の2児の父、しろいくじらです。
突然ですが、PTAっておかしくないですか?
ぼくもPTAに疑問を感じ、購入したのが本書です。
タイトルの通り、PTAという理不尽な組織の実情が、著者自身の体験も交えて書かれています。
そして、それを変えようとした人や退会した人のことも紹介されています。
本書を読んで、「PTAに法的強制力はなく、あくまで任意参加の団体で、退会も自由」、「PTAに疑問を持ち悩んでいる人は自分だけでなく全国にたくさんいる」ということを知ることができました。
PTAは現状、保護者も教職員もいつの間にか会員にされることが多いため、「必ず入らなければならない団体」のように思われがちですが、実は入会も退会も自由です。PTAの加入は任意であり、入ることを義務付けるような法的根拠は一切ありません。
P31
まずこれだけでも、少し救われたというか、気持ちがラクになりました。
で、現実問題に戻りますが、「変えよう!」と言ってすぐに変わるような組織であれば誰も苦労しないんです。
なので、本書を参考に、まずは我が家からPTAをやめてみようと思っています。
みなさんのPTA問題の解決の一助になればうれしいです。
本書の内容
まず構成を紹介します。
- 第1章 みんな知らないPTAのABC
- 第2章 ここがまずいよPTA!
- 第3章 PTA理不尽ビッグ6
- 第4章 実録 会長・役員になってPTAを変えてみた!
- 第5章 PTA改革虎の巻① ~会長・役員編~
- 第6章 実録 一般会員・非会員としてPTAに働きかけてみた!
- 第7章 PTA改革虎の巻② ~一般会員・非会員編~
- お助け資料 大津市教育委員会 PTA運営の手引き
たぶん、ぼくたち保護者が知りたいと思っていることが、ほとんど詰まっています。
PTA問題については、ネットでも情報を取ることができます。
ただ、ネットの情報は所在がバラバラなので、全体像を俯瞰するときに少し面倒だと個人的に思っています。
それにネットを1回検索しただけで、内容を覚えられるわけでもありません。
本書は、PTA問題点のポイントが網羅されていますので、何度も調べ直す際に便利だと思います。
(大津市教育委員会が平成30年に作成した「PTA運営の手引き」が全文掲載されているのもポイントです。)
ぼくは本書をメインにして、ネット上の最新情報をサブで扱っていくつもりです。
理不尽PTAの問題点
本書とネットを見た限り、PTA問題点というのはおおよそ次のように整理できると思います。
組織としての法律的な問題点
・任意参加のはずなのに強制加入【憲法第21条「結社の自由」】
・会費の自動徴収【刑法・詐欺罪】
・個人情報の漏洩【個人情報保護法・個人情報保護条例】
・非会員の子どもへの差別的扱い【教育基本法】
・学校への寄付【地方財政法】
運営上の問題点
・前例踏襲
・役員の押し付け合い
ぼくが考える本質的な問題
学校とPTAのすみわけ
どこまでが本来学校が行うべき業務で、どこまでがPTAがボランティアで行っている業務なのか、その線引きが不明確であることが、根本的におかしいと思います。
例えば、運動会は純然たる学校行事です。振替休日が割り振られてることからも、授業の一環と言えます。なので、原則として学校のスタッフのみで運営するのが当然だと思います。学校のスタッフだけでは人手が足りないから、保護者からボランティアを募るという発想自体が誤りだと思います。
同様に、学校は公共施設です。教育委員会も市町村役場の一部なので、建物の修理や備品の購入は本来、役所が公的な予算で対応すべき事案です。学校に予算がつかないのは役所の怠慢であり、学校にお金がないからPTAが備品を購入するという発想になるのはおかしいです。
強制の背景には「PTAは誰かがやらないといけない」という思い込みがあるわけですが、根拠はありません。もし本当に誰かがやらないと困るような仕事があるなら、それは国や自治体が税金でやるべきこと。「やらないといけないこと」は実際にはなく、もしやる人がいないなら、その活動はやめていいのです。
P65
PTAの存在理由
PTAって「子どものため」にあるんですよね。
でも、他人に役員を押し付けたり、意味のわからない研修旅行とかする組織が、どれだけ子どものためになっているのでしょうか。
PTAを存続させるために仕事を作っている。つまり、PTAを存続させることがPTAの存在目的になってしまっていると思います。
法律論が通用しない
前述しましたが、いろいろ調べるとPTAは法律的に穴だらけのヤバい組織です。
過去には、役所の関係者など、法律に携わる人が会長や役員になったこともあったはずです。
にもかかわらず、惰性で動く前例踏襲ばかりの形骸化した組織なので、法律論が通用しなくなっているのではないかと思います。
きちんと法律に則って組織を運営すれば、これまでとは異なる形での組織運営を求められるので、少しはマシな活動ができるようになるのではないかと思います。
PTAをやめる方法
会則で退会届など退会の手続きを決めているPTAであれば、それにしたがって届け出を出せばいいですよね。
問題は、事実上の全員強制加入で、入会・退会について決められてない場合です。
1 子どもが新入生でまだ入会届を出していない場合
入学説明会で任意加入を確認
他の保護者の人たちにもPTAが任意加入であることを知らせることができます。
(中略)
大勢の保護者がいる手前、少なくとも管理職の先生は、「任意加入ではない」とは言えないはずです。
P197
会費を支払わない
入会届を出していないのに、学校がPTA会費の集金袋(児童の名前入り)を配ったり、会費を勝手に引き落としたりしたときは、「PTAに加入した覚えがない」「引き落としに同意した覚えがない」ということを、校長先生にお手紙などで伝え、入会届を配布することや、引き落としの同意書をとることを求めてもいいでしょう。
この場合はおそらく、学校に伝えた銀行口座や、学校が管理する児童生徒の名前が、PTA会費を徴収するため無断流用されているので、個人情報の取扱いが不適切です。
P197-198
役員決めに参加しない
入会届を出していないのに参加を求められた場合は、「PTAに加入した覚えがないので出席しかねる」と伝え、校長先生に入会届の配布を求めるといいかもしれません。「希望しない人に活動を強制しないでほしい」または「活動が強制なら参加しない」と伝えるのもいいでしょう。
(中略)
いずれにせよ、加入前なので、PTAでなく校長先生にお手紙等で伝えればいいでしょう。
(中略)
もし後で、先生や役員さんから電話で委員をやるように求められた場合は、電話番号をどこから入手したか確認を。学校からとしか考えられませんが、もし学校がPTAに個人情報を提供することについて、あなたが同意していないのであれば、学校の個人情報の取扱いが不適切です。
P198-199
伝える相手は校長先生
子どもが入学したばかりで入会届を出していない(配られていない)人は、校長先生に伝えるのが妥当でしょう。まだPTA会員ではないと考えられるからです。
P195
2 すでにPTA会員の場合
いつでも退会できる
退会は、いつでも可能です。希望しないのに役員にされたときでも、集まりに欠席した友人が悪口を言われたときでも、どんなタイミングでもかまいません。会長さんか校長先生、または両方に退会届を出すなどして、退会の意思を伝えましょう。
P202
総会で発言する
校長先生や会長さんに手紙などで要望を伝えるだけでなく、可能なら、PTA総会に出席して、改革・適正化を求めるのもいいと思います。というのは、手紙や文書だけだと、他の人に問題が共有されづらいからです。総会の場で発言すれば、いろんな保護者や教職員に聞いてもらえますし、そのときは改善がなかったとしても、その場にいる誰かが覚えていて、何年か後に動いてくれる可能性もあります。
P200-201
意見を伝えるときは校長先生へ
伝える相手は、なるべく校長先生がいいかと思います。会長さんでもよいですが、保護者なので、任意団体の運営について正しい知識をもたない人もときどきいますし、保護者同士でぶつかることは、なるべく避けたいものです。
P194
そもそも入会してないと主張する際は退会届を出さない
自動強制加入のPTAで「そもそもPTAに入っていない」と伝えるときは、退会届を出さないでください。以前ある裁判で、保護者が退会届を出したことが「PTAに入っていた」と認定される根拠の1つとされてしまったからです。
P195
退会をすんなり認めてもらえない場合もあるようです。ダメな時は【校長や会長→教育委員会→役所の総務課→文部科学省→弁護士】と相談相手を変えていくことになると思います。校長から教委や役所へ根回しも想定されます。ただし、法律論では明らかにPTAに非がありますので、面倒ですががんばりましょう!
2023年度には、ぼくもPTAをやめたいと思っています。やめれたらその経緯を追記していきたいと思います。
<ぼくの感想>PTAをやめれない理由
多くの人がPTAをやめたいと思っている。
でもやめれない。
いろんな理由があるとは思いますが、決定的な理由は2つだと思います。
1 保護者との関係悪化
自分たちのグループから抜ける、自分たちの価値観と合わない人間を排斥しようとするのは、PTAに限ったことではありませんよね。
同質的な日本においては、これはもう仕方のない問題です。
あきらめるしかありません。
ところで、ぼくはシュフですが男なので、ママさんグループには一切関与していません。
当然、仲間に入れてもらえることもありません。
なので、その筋から学校まわりの情報が入ってくることはありません。
たぶん、陰口もそれなりに言われていると思います。
でも、困ったことは何ひとつありません。
わからないことがあれば学校に聞けばいいですし、仲間はずれにされても気にならないので。
ただ、女性同士だと、そう簡単にはいかないんでしょうね・・・
ここがデメリットになるようだと、PTA退会は難しいかもしれません
2 子どもの差別的な扱い
PTAや学校が、「PTAに入っている家庭とそうでない家庭の子どもの扱いを変える」ということがあるそうです。
卒業式の記念品などが、よく例にあげられます。
行事の主催者が学校なのであれば、それは学校教育の一環として行われる行事であり、子どもの当然の権利として参加できるはずです。それに要する用具や経費などに差がつくことはあり得ません。
学校行事において差別的な扱いはあってはならないことなので、もしもそのようなことがあれば、学校や教育委員会、場合によっては弁護士を交えて話し合いをしていかないといけないと思います。
(教育の機会均等)
第4条 すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
それとは別に、仮にPTAが独自で主催した行事(運営も経費もPTA負担)があるとすれば、それに非会員が参加できないということは覚悟しておく必要があると思います。
子どもにもよく説明して、納得してもらう必要があると思います。
<おまけ>ぼくのPTA体験
最後に、ぼくのPTAの体験を紹介させていただきます。
学級委員
うちの小学校では、学級委員は保護者からの推薦です。
毎年春になると、子どもが用紙を持ってきます。
記載されている児童一覧のなかから3人選んで投票するシステムです。
自分たちが生き残るために、他人を差し出す。
まさに「生贄(いけにえ)」の儀式です。
ぼくは他人を生贄にするなんて気持ち悪くてできないので、いつも白紙で提出してきました。(本当は、はっきり意見すべきでした)
それもあってか、ここ数年学、級委員に選ばれています。
ただ、コロナがあるので活動はしていません。
活動がなくても困ることが一切ないので、不要なシステムだと思います。
ベルマーク
21世紀にどうしてこんな生産性の低いことが行われているんだ、と愕然とした記憶があります。
本書にもありますが、お金を払って解決したくなりました。
でも、一番イヤだったのは、ベテラン部員のテンション。
「〇〇番はA社だよ」「××番はもう使えないよ」「△△番はレア!ラッキー」
仕分け能力が職人の域まで達したことはすごいことだと思いますが、気持ち悪くて、今すぐにでも部屋を出たくなりました。
大人になって、1時間があそこまで苦痛に感じたことはなかったと思います。
文字どおり「吐き気」のする体験でした
経緯は不明ですが、ベルマーク収集はその後廃止になりました。
運動会の手伝い
運動会で、ゴールした生徒のうち、賞状をもらえる1位~3位の生徒を本部に誘導する仕事をしました。
運動会のプログラムのほとんどが徒競走と技能走なので、ゴールと本部席を何度も往復していました。
自分の子どもの時だけ休憩、みたいな感じです。
この業務、コロナになってからは、PTAではなく学校側でやっています。
大事なことなので繰り返しますが、コロナ後は学校でやっています。
なので、工夫さえすればPTAはいらないことが証明されているんです。
さいごに
これまでのPTAは「前年通りの活動をするために、人やお金を(強制的に)集める」という考え方でしたが、これをひっくり返すのです。つまり「強制をやめ、任意の募集で、集まった人とお金で、できることをやる」と考えるのです。この頭の切り替えをできれば、強制は手放せるはずです。
これはつまり「人が集まらない活動は、やらない」ということでもあります。
P68
ぼくは、「保護者のボランティア活動がなければ成立しない学校教育というのはおかしい」と思っています。
なので、「PTAは不要なので解体すべき」というのがぼくの持論です。
すぐに解体できなければ、最低でも「強制」を排したPTAに移行すべきだと思っています。
2023年度には、長男が小学6年生になります。
卒業式とかいろいろあるので、「PTAを退会する」と言い出すと、きっと面倒なことになると思います。
子どもにも不利益が生じるかもしれません。
でも、面倒を避けて惰性で続けても、きっといろんな不都合なことにイライラすると思うので、退会にチャレンジしてみたいと思います。
なにより、これからの時代、「周囲の様子をうかがって、他人にあわせて行動するだけの人間」は淘汰されていきます。
不都合なルールがあった時、子どもたちには、文句を言いながら盲目的に従うのではなく、「そんなルールは自分で変える」という大人になってほしいので、結果はどう転ぶにしろ、親としてもそういう態度をとっておきたいと思っています。
折を見て経過を追記していきたいと考えています。
2023年4月21日追記
本書をきかっけに、実際に退会することができました!
退会の記録はこちらの記事にまとめています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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