むつ市の人口減少を考える|合併から1万4000人も減った人口

人口減少

こんにちは!

むつ市議会議員選挙に立候補中の高橋征志(たかはしまさし)です。

今回は、むつ市の人口減少について考えます。

問題意識はもっておりますが、具体な解決策までイメージできておりません。

大変申し訳ありません。

目次

データで見る人口の減り方

この表は平成からのむつ市の人口の推移をまとめたものです。

(出典:「データむつ2022」第2章住民基本台帳 https://www.city.mutsu.lg.jp/government/about/toukei/datemutsu2022.html

気になるポイントを書き出してみます。

人口減少の気になる点
  • 合併時と比較し、旧むつ地区では約7000人減少。
  • 合併時と比較し、川内・大畑・脇野沢の減少数の合計も約7000人。
  • 川内・大畑の現在の人口は合併時の6割。(4割も減少)
  • 脇野沢の現在の人口は合併時の半分。(約20年で半減)
  • 旧むつ地区のみ、人口減少の割合が緩やか。
  • 合併時からの市全体の減少数は14,145人。合併前の川内町・大畑町の合計とほぼ同数。
  • つまり合併後20年で川内と大畑の2町が消滅したのと同じインパクト。
  • 脇野沢の人口減少数は毎年約50人。5年後には人口が1000人を割り込む予測。

人口は増えない|出生数も増えない/移住者も増えない

ぼくは出生数が増えることはないと考えています。

人口が増加に転じることはないと思っています。

最も大きな要因は都市化であることに議論の余地はない。社会の経済的発展は都市化を促進し、都市化が進むと出生率が下がる。これは圧倒的多数のデータにより証明されている。

(中略)

農場では子供を作るのが「投資」になる。牛の乳搾りをする手、畑を耕す腕が増えるからだ。だが、都市部では子供は「負債」になる。養うべき口が一つ増えるだけだ。この傾向は現在までずっと変わらない。2008年に行われたガーナの都市化と出生率に関する研究では、次のように結論している。「都市生活では子育ての費用がかさむ見込みが高いため、都市化は出生率を下げる。都市では住宅費が余計にかかるし、おそらく家庭内生産の面でも子供は都市ではあまり役に立たない」。親の自分勝手な言い分に聞こえるかもしれないが、人々が都市に住むと子供の数を減らそうとするのは、純粋に自分たちの経済的利益に基づく行動に過ぎない。

『2050年世界人口大減少』P31~P32

引用した本はコチラです↓

また、過去に移住政策担当もして、移住者が増えることもないと思っています。

高橋征志

郡内からの転入や、自衛隊の異動による転入は「移住」とは言えません。
「まちの魅力」を伝えれば移住者が増えるという「幻想」は捨てるべきです。
ただ、ターゲットを首都圏からのUターンに限定すればいくらかは増えるかも。

人口の自然減対策(出生数<死亡数)

生まれてくる赤ちゃんの数と、亡くなる方との差を「自然増減」と言います。

むつ市の場合、亡くなる方の数が多い、自然減になっています。

自然増になることは、今後ないと思います。

出生率は上がらないという前提で物事を考えるべきだと思います。

だから、未婚の男女の婚活支援や、新婚世帯の引越費用の助成など、些末な支援策はムダです。

出生率にこだわらず、出生数を1人でも増やすことに目を向けるべきです。

子どもを産むのを躊躇する理由は、「女性のキャリア」「子育ての負担感」「将来にわたる生活費」などであるはずです。

しばらく仕事を休んでも、あるいは今の職場を退職したとしても、安心できるだけのお金を配るなどの根本的な支援でなければ、赤ちゃんの数が増えることはないでしょう。

子どもをつくることをためらう理由が

目先の数十万円の引越し費用でしょうか?

産後の相談先がないことでしょうか?

いや、お金がないことの将来不安でしょう。

子どもが大学を卒業するまでを見越した。

人口の社会減対策(転入数<転出数)

むつ市に引っ越してくる人と、むつ市を離れる人の差を「社会増減」と言います。

むつ市では、市外へ出ていく方の数が多い社会減です。

高校を卒業して、大学進学のためにむつ市を離れる。

そのまま就職して、結婚して・・・

そういうサイクルで社会減が進行します。

なぜ地元に戻って来ないのか。

最も大きな要因は仕事だと思います。

都会に比べて待遇も劣りますし、そもそも選べる職種自体が少ない。

自分がスキルを身に着けて、都会であればそれを活かして仕事ができるけど、

せっかく身に着けたスキルを活かせる就職先がむつ市にはない。

「地元に帰りたい」

実は同年代ではよく聞くことです。

若者が悪いわけではありません。地元側の問題です。

なので、就職先を見つからなければ、自分でつくる起業の支援が必要かなと感じています。

高橋征志

起業にはリスクが伴うので、それをカバーしてあげられるだけの支援が

合併の弊害を検証する必要性

市町村合併は成功だったのか?

残念ですが、今の自分にはわかりません。

合併しなかった場合のシミュレーションデータがないからです。

データの比較ができないので、どっちが良かったか言えませんよね。

合併の有無にかかわらず、人口は減少したはずです。

むつ市の現在の人口は合併時の約8割。

全体としては、大きく減ったとは言えないと思います。

高橋征志

でも、合併は「成功だった」って言う人はどんな根拠のデータを持ってるんだろう?

旧町村部の実情

川内、大畑、脇野沢の人口は、合併時の5割~6割しか残っていません。

旧むつ地区と比べ大きな差があります。

苦しいのは、行政機能が低下したことにより、人口減少に対し独自の対策ができなくなっていること。

自分たちで出血の手当ができない状態にあると思います。

検証の必要性

結論ありきで議論すると、最終的に「合併は成功だった」という方向に誘導されてしまいます。

真の意味で合併の功罪を検証すべきだと思います。

合併を「今さら」とか「もう済んだことは仕方ない」で終わらせるのではなく。

町や村の名前が無くなる大事業だったわけですから、しっかり検証し直す必要があると思います。

合併したら行政は合理化される。コストも少なくすむ。

地元出身の職員がいなければ、むつから派遣してもらえばいい。

それは事実。

でも、代わりににその「まち」のアイデンティティを失ったと思う。

地域の独自性や自由裁量を手放し、

吸収合併というカタチで、旧むつ地区との主従関係ができてしまった。

役場機能がどんどん縮小されても、もはや抵抗もできない。

本当にそれで良かったのだろうか?

もはや、そういう疑問を持つことさえタブー視されてはいないか?

声すら上げれないなんておかしくないか?

だから、「民意があれば合併を解消する」というオプションがあってもいいと思います。

まちは消滅しない

ひと昔前、「消滅自治体」とかいう言葉が流行りました。

ぼくはその本を読んでいません。

ただ、言葉の印象が強すぎたと思います。

実際は人口が減ったからと言って「まち」は消えません。

たとえ脇野沢の人口が1000人を割り込んだとしても、脇野沢は脇野沢です。

高橋征志

人口がどれだけ減っても、脇野沢村であった方が良かったかもしれない。って言ったら袋叩きにされるかな?

自分たちのまちは自分たちでつくる|直接民主制導入の仮説

人口が少ないことはデメリットばかりではありません。

良いこともあります。

それは、住民と行政の距離が近いということです。

つまり、まちの方向性を、住民が自らが決めることができる可能性があるということです。

議員は住民一人ひとりの声を吸い上げやすくなります。

議員制をやめ、住民一人ひとりが行政の意思決定に参画する、直接民主制を導入できる可能性すらあります。

成功しても失敗しても自分たちの責任ではあるけど、

地元のことを知らない旧むつ地区の言いなりよりは、良い点もあるのではないかと思います。

ぼくは、仕事でもプライべートでも、川内も大畑も脇野沢も何度も訪れました。

それでも、一度も住んだことはありません。

なので、その地区の詳しい実情はわかりません。

いくら話を聞いても、経験してみないとわからないこと、気づかないことがあります。

議員や役所の職員も同じだと思います。

自分たちのまちのことを知らない連中が、自分たちのまちのことを決めてしまう。

高橋征志

本当にそれでいいのだろうか?

解決策(案)|事例は参考にならない|基本は守勢

人口減少対策については、たぶん他市のマネをしてもうまくいきません。

他の自治体とむつ市では、環境が違いすぎるから。

他の圏域と移動距離で2時間も離れている地域はなかなかない。

基本的には守りの仕事だと思います。

減っていくのをどれだけ最小に食い止められるか。

決して人口を増やそうと攻め上がる必要はないと思います。

たぶんそれは無理だから。

出生率にまどわされず、生まれてくる子どもの数を重視する。

そして、今目の前にいる子どもの成長を全力で支援する。

それがいいのかなと思っています。

あと、移住施策はUターン希望者に限定すべきだと思います。

これは経験上、まったくゆかりのない自治体に移住するケースは極めてレアだからです。

そんな中、全国の自治体と競争して移住者を獲得するのはコスパが悪い。

でも、地元に帰ってきたいと思っている若者はいる。

そういう人を狙い撃ちにする政策が必要だと思います。

まとめ

出生数を増やして人口を増加傾向にするのは不可能だと思っています。

人口はこれからも減り続けます。

それは時代の流れでもあります。

それを踏まえた上での政策が必要です。

婚活事業みたいな小手先の対策はやらない方がマシだと思っています。

高橋征志

その分のリソースを他に振り分けるべきです。

もしも合併していなければ?

きっと違う未来が待っていたことでしょう。

行政の合理化か、地域のプライドか。

目をつぶりたくなる課題です。

ただ、正直なところ、人口減少問題はとても難しいです。

繰り返しで恐縮ですが、現時点で解決策を持っていません。

戦略を考える上で一番悩む点、それは目標が立てられないこと。

つまり、

  • 人口が何人までなら減ってもいいのか。
  • 人口が何人になったらむつ市はもうやっていけない状態になるのか。
  • その根拠は何か。

それがわからないこと、見通しの立て方がわからないことです。

たしか、市の方針では

「町ではなく市であることの要件である3万人」

が目標になっていたはずです。

ただ、疑問があります。

市であり続けることにどんな意味があるのか?

むつ下北は、他圏域から孤立しています。

他地域のように人口が多い都市との広域連携は不可能です。

だから、

  • むつ市だけで独立してやっていくには、これくらいの人口が必要。
  • 地域に人が住み続けられる程度の、経済や医療やインフラ、それらを維持するためにはこれくらいの人口が必要。
  • これ以上人口が減ったら、公共施設や公共サービスが維持できないから、みんなで集団移転するしかない。
  • そのラインは何人だから、それよりも減らないように努力する。

本来は、このような、実際の生活から逆算したロジックで考えないといけないと思うんです。

牧歌的に「市」であることにこだわる。

それだと苦労すると思うんです。

後を託された世代が。

人口減少

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