むつ市議会議員の高橋です。
今回は、タイトルどおり、2600万円の予算がムダになった話です。
正確には2636万円。
端的に言うとこんな感じです。
- 防災無線のデジタル化に伴うアンテナ工事
- 釜臥山展望台にアンテナを設置
- 位置を決めて契約&工事
- 工事の途中で、アンテナが夜景にカブってしまうことが発覚
- 2階の屋内展望室からの夜景観賞に支障
- 夜景観賞に影響のない場所に取り付けを変更
- 追加工事のため契約変更
- 工事費が増額
予算や議会の大まかな流れです。
役所にだってミスはあるし、想定外なので仕方ない、と感じる方もいると思います。
たしかに、ミスをゼロにすることはできません。
でも、今回の件は100%防げたと思っています。
ムダ遣い(ミス)の原因
ムダ遣いが生じた原因は、「役所内の内部調整の欠如」だと思っています。
釜臥山からの夜景は、「アゲハチョウの夜景」として売り出してきました。
それは、世界夜景遺産になった2024年(R6)からではなく、ずっと前からです。
そもそも釜臥山展望台は、山頂からの景色を楽しむための観光施設です。
景色が見れないのならば、施設の存在意義はありません。
だから、そこにアンテナを設置するとなれば、夜景の見え方に影響があるかどうか気にするのが当然です。
それを関係者が怠ったため、ミスにつながりました。
内部調整の欠如。
タテワリに起因する、当事者意識の欠如、情報共有の欠如、想像力の欠如。
防災無線のアンテナは、防災課の所管です。
一方で、釜臥山展望台は、観光課の所管です。
防災課がアンテナ工事を発注するにあたり、展望台を管理する観光課への打診は不可欠です。
それに、あの辺は自衛隊の基地がありますし、国定公園にも指定されているので、国や県との事前協議も必要で、それの事務も観光課の所管です。
当然その過程で、展望台のどの位置にアンテナを付けるか、情報を共有するはずです。
その段階で調整しておけば、
初めから眺望に影響のない場所に設置しておけば、
変更契約+工事やり直し=予算のムダ遣い
は回避できたはずです。
高橋「はず」じゃないですね。絶対できます。
防災課の視点で言うと、観光客の都合よりも、アンテナの電波を優先的に考えるのは自然です。
でも、観光課の視点では、電波を優先してアンテナを設置して、観光客が夜景を見れなくなったら本末転倒で、それを指摘しなければなりません。
両課で折り合いがつかなければ、別の部署や高位の役職員が間に入って利害を調整しなければなりません。
結局はそれをしなかったこと、市役所の内部での連携や情報共有が不十分であったことが原因だと思います。
2600万円のムダ
ちなみに、変更契約額は約5200万円です。
設置場所の変更に伴い、いろいろ見直した結果総額5200万円になったけど、
設置場所の変更だけなら、2600万円の増額という説明でした。
高橋元々はこの5200万円全額がムダではないかと問い正したのですが、そうではないとの説明です。
何かにチャレンジした結果のムダなら仕方ないと思います。
でもこの2600万円のムダ遣いは、単純に役所内部の調整ミスです。
400億円の予算のうちの2600万円くらいいじゃないかとか、
議員なんだからもっと大きなテーマを扱うべきとか、
そういう意見もあるでしょう。
たしかに市の予算に対するダメージは少ないかもしれません。
でも、400億円の予算は、こういう経費の積み重ねだと思っています。
(億単位のような大規模な事業は、実はそう多くはありません)
だから、こういうことをこれからも繰り返してはいけないと思います。
それに、家計で2600万円なら家が建つレベルです。
大きな予算を扱って、感覚がバグってしまうのは良くないと思います。
市の答弁書の読み間違い
この件については、市長は金額を読み間違い、後で訂正しています。
2636万円を263万円と読み間違いました。
問題を追及しようと思った自分も、桁がひとつ違うので、ミスったかなと気勢をそがれてしまいました。
でも実はこの答弁、本当は担当部長が答える予定のところを、あえて市長が読んで、しかも間違えています。
そして、その場にいた役所関係者は、誰も訂正しない。
(訂正があったのは、自分の一般質問が終わって、昼の休憩をはさんだ後の、午後になってからです)
これが実際の市長答弁です。
変更契約が防げたのではないのかというご指摘だと思いますけれども、議案を提案させていただいたときに、高橋議員、そして野中議員からも質問がありましたけれども、デジタル防災行政無線のアンテナの設置、設計を決めた後に、夜景観賞の妨げになるので、設置場所を変更したから新たに5,227万円の負担が起きたわけではございません。5,227万4,200円の増のうち、中継局の設置場所等の変更及び調整に係る経費が約263万6,000円の増、また屋外拡声器の設置場所も、それの変更に伴う金額が676万円。一方で、見解ですので、変更契約しようと判断した経緯の中には、その変更によって、見直したことによって、既存の子局の撤去本数が減することも提案として盛り込まれていまして、それで1,090万円の(以下略)
一方で、これが当日市側で用意していた答弁書です。

この状態で、「2,636万円」を「263万6,000円」と読み間違える理由が、正直わかりません。
だから、きっとワザとなんだと思っています。
高橋自分で原稿を修正したら桁を一桁間違っちゃったは考えづらいです。
それに、周りに幹部がたくさんいて、誰も間違いを指摘しなかったことが、事前に示し合わせていたことの何よりの証拠でしょう。
ワザと金額を小さく見せて、「高橋の指摘は的外れだ」と見せて、その場で私が議論をしづらくさせて、問題が大きくなるのを防ぎたかったのではないかと。
高橋市役所がそんな姑息なことを、と思うかもしれませんが、参照条文をダラダラ読むとかの露骨な時間稼ぎとか、普通にやってるんですよね。
精緻な金額まで裏を取らず、追及が弱くなってしまったのは、自分の責任です。
工事のやり直しは事実なので、役所側も非を認めるだろうと思っていました。
考えが甘かった。そこは反省です。
もうひとつの問題/不正な公文書管理
そしてもうひとつ重要な問題があります。
それは、「意思決定をした公文書がない」という問題です。
つまり、防災無線のアンテナを設置すると当初計画した時に、変更前の位置、つまり夜景にカブってしまう位置に設置することについて、誰が決めたのか、どのような話し合いがあったのか、どういう議論を経てどういう判断でゴーサインを出したのか、その記録が公文書として残っていないという問題です。
だから、なぜそうなったのか、後から検証もできない状態です。
誰かが考え、誰かが決めた結果です。
それにもかかわらず、それを検証できない。
森本問題で国の公文書管理が大問題になりましたが、同様のことが大なり小なりむつ市役所でも起きているということです。
市民のみなさんには、このことを深刻に受け止めていただきたいと思います。
今回の件は、予算の使い方、自分たちが払った税金が正しく使われているか、それすら事後に検証できない状態にあることを意味します。
もっと悪いのは、一人ひとりの申請や許認可などでも、そういうことが起こり得るということです。
手続きしたはずがしてないと言われたり、
許可を得たはずが許可してないと言われたり、
自分に関係することが知らない間に進んでいたり、
事実と違うことを記録に残されたり、
そういう時に証拠となる公文書がないことは、市民側に不利に働きます。
いじめについての学校や教育委員会の対応で、記録が残っていない、報告書に事実と違うことが記録されてるなどは、もはやSNS上では日常的な光景です。
そんなことをむつ市で起こすわけにはいきません。
ですが、今のむつ市役所は、それを問題視しない組織風土になっている恐れがあります。
最後に/ムダ遣いの影で学校の予算不足
防げたはずの2600万円のムダ遣い。
これを教訓に、同じ失敗を繰り返さないことを、切に望みます。
いつも同じことを言っていますが、そのムダの影で、学校は予算不足で苦労しています。
それを保護者の学級費やPTA会費で穴埋めしています。(教育委員会は否定しますが)
令和7年度の学校の備品購入費予算は、小中あわせて約1200万円です。
市内のすべての小中学校あわせて1200万円です。
だから2600万円で、2年分の教育環境を充実させることができたことになります。
「予算がないから」と言って、教育予算増額は後回しにして、保護者のお金で予算不足を穴埋めしながら、市役所の方ではこうやって予算のムダ遣いをしているわけです。
そして、公文書もなく検証もできない。
いち納税者、いち保護者として、おかしいと指摘するが当然だと思っています。
参考/一般質問議事録
2025年(令和7年)9月2日 むつ市議会第265回定例会

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