地方自治法違反の専決処分を考察する

専決処分

むつ市議会議員の高橋です。

今回は、むつ市役所が地方自治法に反し、専決処分という手続きをしたという、お堅い話です。

要するに、やってはいけないことをしたということです。

高橋征志

思った以上の長文になってしまいました。約9300字らしいです。
条文の引用などは飛ばして、気になる部分に後から戻ってもった方がいいかもしれません。

目次

専決処分とは

専決処分を簡単に説明すると、こんな感じです。

「議会の議決が必要な事項を、議会の議決なしに首長が決定すること」

条例の制定や改廃、予算の承認などは、地方自治法に定められた議会の役割です。

一方で、専決処分についても、地方自治法に規定されています。

アカハライモリ

でも、それだと議会の意味がないのでは?

たしかに、市長の判断で何でも決めれるのであれば、議会はなくてもいいことになります。

なので、地方自治法は、専決処分が認められる場合に条件を付けています。

逆に言えば、その条件を満たさないものは、専決処分できません。

というよりも、専決処分は例外規定です。

当たり前ですが、議会の役割は議会が果たさなければならないので。

市役所の間違った専決処分の内容

では、市役所がどんな専決処分したかというと、こんな感じです。

「施行まで1年も期間がある条例の改正を、議会の議決なしに、市の判断だけで改正した」

アカハライモリ

でも、それだと議会の意味がないのでは?(再)

その通りです。

まだ1年もあるなら、その間に議会を開いて、議論して、改正案を議決すればいいだけのことです。

でもなぜかそれをしなかった。

高橋征志

「議会は無くてもいい」と言っているのと同じです。
だからおかしいと言っています。

もう少し具体的に言うと、「むつ市税条例」について

令和8年1月1日施行の「特定扶養親族控除」に係る市民税の改正

令和8年4月1日施行の「加熱式たばこ」に係るたばこ税の改正

を、令和7年3月31日付けで専決処分して、議会の議決なしに条例改正してしまった。

という内容です。

以下、市役所との議論を紹介します。

結論を先に述べますが、この専決処分に法的根拠はありません。

令和7年6月議会ですが、常任委員会なのでyoutubeも議事録も公開されていません

高橋征志

あえて専決処分した理由をお聞かせください。

市役所

それぞれ違う施行日の議案を提出するよりも緻密で、漏れのない事務が合理的かつ効率的に行えるよう専決処分として、上程をしております。これは税改正の内容を速やかに整備しておくことで、施行日までの間に改正等があった場合でも対応できる状態にしておくことが重要と判断したためでありますので、ご理解いただきたいと存じます。

高橋征志

地方自治法第179条第1項の、「議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」専決処分するということになっていまして、こちらを適用して、今回専決処分したということでよろしいでしょうか。

市役所

緊急を要するというわけではなくて、今回は、国からの通知による市税条例の整備ということになります。市での直接的な条例の改正とかではなくて、条例の整備をしてくださいという通知のもとにしているものでありますので、その辺ちょっと税と他の条例の違いというところもありますので、ちょっとご理解いただきたいなと思っています。

高橋征志

そもそも地方自治法の規定によって、条例の改廃なり、制定なりというのは、本来、議会の議決を得て行わなければいけないことであって、それを「緻密で漏れのない事務」とかですね、「速やかに」というのは、本来、やっぱり、そもそも地方自治法の立て付けとして違うんじゃないかというふうに思っています。

あらためて思うのは、法律論ではないということ。

法律論が返ってこない。法律を扱うのが市役所の仕事なのに。

参考までに、この専決処分に反対した時の反対討論の原稿を掲載します。

読み進めていく上で、全体像がつかみやすくなると思います。

条例の改正内容については、下記リンクからご覧ください。

「報告第15号 むつ市税条例の一部を改正する条例」です。

https://www.city.mutsu.lg.jp/gikai/kiroku/files/264-teian_gian_hoseiyosan_shinkyu.pdf

地方自治法179条の規定

地方自治法(抜粋)

第百七十九条 普通地方公共団体の議会が成立しないとき第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。ただし、第百六十二条の規定による副知事又は副市町村長の選任の同意及び第二百五十二条の二十の二第四項の規定による第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市の総合区長の選任の同意については、この限りでない。
② 議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
③ 前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
④ 前項の場合において、条例の制定若しくは改廃又は予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。


第百八十条 普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。
② 前項の規定により専決処分をしたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない。

ちなみに、引用されている113条は以下のとおりです。

第百十三条 普通地方公共団体の議会は、議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、会議を開くことができない。但し、第百十七条の規定による除斥のため半数に達しないとき、同一の事件につき再度招集してもなお半数に達しないとき、又は招集に応じても出席議員が定数を欠き議長において出席を催告してもなお半数に達しないとき若しくは半数に達してもその後半数に達しなくなつたときは、この限りでない。

今回考察するのは、第179条です。

179条が何を言っているかというと、

出席議員が過半数に届かず議会を開催できない場合や、緊急な場合など、

本来議会が議決すべき事業を議決できない場合に限り、首長が専決処分できる。

ということです。

高橋征志

やむを得ない場合だけOKということです。
だって、議決は本来、議会の役割ですから。

条文を色分けと改行で見やすくしてみます。(「①~④」の番号も筆者が付けました)

地方自治法 179条 

普通地方公共団体の議会が成立しないとき

第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき

③普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき

④又は議会において議決すべき事件を議決しないとき

は、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる

つまり、179条は、4つの場合に限り、専決処分が可能であること定めています。

このうち、3つは、出席する議員が少なく議会が開けないなど、議会側の問題です。

よって、今回の件は③の「議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」という規定を、市役所が誤用したことになります。

180条について

ちなみに、専決処分には、179条によるものと、180条によるものと2種類あります。

180条の場合は、簡易な案件について、事前に条例に定め、指定しておくことで、専決処分ができるようにしておくことを規定しています。

むつ市の条例は以下のとおりです。

https://www.city.mutsu.lg.jp/reiki/reiki_honbun/r291RG00000039.html

定額の損害賠償の和解などが挙げられています。

恐らく、議会の決定に時間がかかると相手方にも不都合なので、とかそういう理由だと思います。

いずれにしても、180条に基づき専決処分できると指定されている案件は、ほぼありません。

逐条解説の見解

次に、この条文の解釈が正しいのか確認します。

法律は基本的に読んでその通り判断しますが、自分の読み方が正しいか、間違ってはいないか、念のため確認します。

これは市役所では当たり前に行われてきた作業です。

今回は市議会の図書室にあった『新版 逐条地方自治法〈第9次改訂版〉』を使います。

〔長の専決処分〕

第百七十九条 (条文省略)

[解釈及び運用] 

一 本条は、議会において議決すべき事件又は決定すべき事件に関して、必要な議決又は決定が得られない場合において補充的手段として、当該普通地方公共団体の長に専決処分の権限を認めたものである。専決処分とは、議会が議決すべき事件又は決定すべき事件について、特別な場合に、議会の議決又は決定を経ずに、長が、議会において議決又は決定したものと同様の法定効果を持つ処分又は決定を行うことである。(省略)

二 本条の専決処分は、議会の議決又は決定を得られないときに普通地方公共団体の長の権限として認められるものであり、次の四つの場合がある

(一)(省略)

(二)(省略)

(三) 普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき

この場合は、絶対に議会の議決又は決定を得ることが不可能な場合ではないが、当該事件が特に緊急を要し、議会を招集してその議決を経ている間に、その時期を失するような場合である。議会の招集は、原則として開会の日前、都道府県及び市にあつては七日、町村にあつては三日までに告示しなければならないが、緊急を要するときは、必ずしもこの告示期間を置くことを要しない(法ー〇ー7ただし書)。しかし、いかなる場合においても、常に少なくともすべての議員が開会までに参集しうる時間的余裕を置いて告示しなければならないものであるので、そうした時間的余裕を置いたのでは時期を失することが明らかであると認められるときである。その認定は、普通地方公共団体の長が行うのであるが、いわゆる自由裁量ではなく、覊束(きそく)裁量に該当するのであって、長の認定には客観性がなければならない(行実 昭二六、八、一五参照)。

なお、平成十八年の改正前においては、「議会を招集する暇がないとき」とされていたが、第二十八次地方制度調査会の「地方の自主性・自律性の拡大及び地方議会のあり方に関する答申」(平成一七年一二月)において、「制度本来の趣旨に即した要件の明確化等を図るべきである」とされたこと(同答申第2・2(2)⑥「ア専決処分のあり方」参照)を踏まえ改正されたものである。

(四)(省略)

三 右の四つの場合には、普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。通常これを専決処分というのであるが、それは、すなわち、法令上議会の議決事項とされているにかかわらず、長が議会の議決を経ないで処分することであつて、本条の規定によつて行われたものである限り、その処分は本来議会の議決を経て行われたものと同様に適法かつ有効であることはもちろんである。ただし、右の四つの場合のいずれかに該当するものとする長の認定が客観的に誤つていた場合は、その処分が違法となる(行実昭二六、五、三ー)。(省略)

四 (省略)

五  本条の規定による普通地方公共団体の長の処分については、次の会議(次の会議とは、専決処分後における最初の会議である。臨時会を含むものと解する。)において議会に報告して、その承認を求めなければならない。(省略)

議会の承認が得られなかつた場合といえども当該処分の効力そのものには影響がない(行実昭ニー、一二、二七・昭二二、一ー、二九・昭二六、八、一五参照)。何故ならば、本条の専決処分は、議決機関たる議会がその本来の職責を果たし得ない場合又は果たさない場合に長が補充的に議会に代わつてその機能を行うものであり、また時間的に余裕がないために処分するものであるから、議会の承認が得られないためその処分が無効になるとすれば、すでに行われた処分に関係する者の利益を害し、行政の安定をそこない、当該処分の目的を達成することも不可能となる場合も考えられ、本条制定の趣旨が全く没却される虞れがあるからである。(省略)

これを読むとわかるように、

「議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」

という規定に、役所の事務的な都合は一切含まれていません。

したがって、役所の事務的な都合により専決処分ができるという解釈は、明確に誤りであることがわかると思います。

また「自由裁量ではなく、覊束(きそく)裁量」であるともハッキリ書かれています。

「覊束裁量」とは何かAIに聞いてみましょう。

高橋征志

「覊束裁量」をわかりやすく解説して

AI

「覊束(きそく)裁量」を一言で言うと、「法律のルールに従って判断しなければならない、余裕のない裁量」のことです。 
もともと「裁量」とは、行政機関が自分の判断で物事を決めること(例:営業停止にするか、もっと軽い注意で済ませるか)を指します。覊束裁量は、その中でも特に法律による縛りが強いタイプを指します。 

わかりやすい対比:自由裁量との違い
行政の判断は、大きく2つのタイプに分けられます。
自由裁量(便宜裁量)意味: 「やるかやらないか」「どうやるか」を、行政がある程度自由に(政治的・政策的に)決めてよいもの。
: 公園をどこに作るか、といった判断。
覊束裁量(法規裁量)意味: 法律の文言(要件)を正しく解釈し、その事実に当てはめるだけのもの。「法律がこう言っているから、こう判断するしかない」という状態です。
: 運転免許の交付など。基準(視力や試験結果)を満たしていれば、行政は拒否できません。 

まとめ
自由裁量 政策的に自由に決めていい
覊束裁量 法律を機械的にあてはめる

AIが出てきたついでに、もうひとつ質問

高橋征志

地方自治法179条に基づく専決処分は、「緻密で、漏れのない事務が合理的かつ効率的に行うため」、という理由でできる?

AI

結論から申し上げますと、ご質問にある「緻密で、漏れのない事務を合理的かつ効率的に行うため」という理由だけでは、地方自治法179条に基づく専決処分を行うことはできません
地方自治法179条による専決処分は、あくまで「議会を招集する時間的余裕がない緊急時」などの厳しい条件を満たす場合に限られる「例外的な措置」だからです。 

高橋征志

だそうです。

市役所の言い分

市役所の言い分というか言い訳を整理します。

  • 緻密で、漏れのない事務が合理的かつ効率的に行うため
  • 改正内容を速やかに整備
  • 国からの通知による市の条例の整備
  • これまでもそうやってきた
  • 緊急を要するわけではない

これまでの議論を踏まえれば、地方自治法の規定に反していることは明らかだと思います。

特に「緊急を要するわけではない」という主張は、地方自治法違反を自ら証明したこと同じです。

高橋征志

最後の退路を自ら断ったことになります。
これで専決処分の4つの条件のうち、唯一可能性のあった条件も消滅しました。

違法性

要件を満たさない専決処分は「違法」だと、前述の逐条改正にはハッキリ書いてあります。

ただし、右の四つの場合のいずれかに該当するものとする長の認定が客観的に誤つていた場合は、その処分が違法となる

『新版 逐条地方自治法〈第9次改訂版〉』(学陽書房) P628

首長の専決処分を定めた法律は、地方自治法以外にありません。

そして、地方自治法179条に定める4つの理由以外の理由で、専決処分ができるとの解説は、どの解説書にもネットにもありません。

専決処分と議会との関係

地方議員としての指針を書いた指南書として、全国町村議会議長会発行の『議員必携』があります。

専決処分についての記載を引用します。

一 法の規定による専決処分
1 専決処分できる場合


法第一七九条の規定によるもので、次の四つの場合に許される。
(1)議会が成立しないとき
議会が解散したり、議員が総辞職して議会が全く存在しない場合や、定数の半数を超える員がある場合等、議会が適法に活動できる半数以上の議員が在任しない場合である。

(2)法第一ー三条ただし書の場合において、なお会議を開くことができないとき
(省略)法第一一三条ただし書のそれぞれの場合には、出席議員数が議員定数の半数に達していなくても会議を開くことができる。しかしながら、この場合でも、議長のほか少なくとも二人以上の議員の出席がなければ会議を開くことができない。議長だけ又は議長のほか議員一人では会議体としての議会とは言えず、議決ができないからである。したがって、このような場合には、必要に応じて町村長が専決処分できることとされている。
(3)町村長が、議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき
この要件は、当該事件が緊急を要し、議会を招集してその議決を経ている間にその時期を失するような場合を規定しているものである。従前、長が「暇がない」と判断し、専決処分を行っていたが、その解釈に疑義が生じる恐れがあった。
そこで、平成一八年の法改正により、専決処分が、議会の権限に属する事項を長がやむを得ない場合に代わって行う制度であることを踏まえ、その運用に当たって制度の趣旨を逸脱することがないようにすべきであるとの観点から、専決処分が可能となる場合を緊急性を要する場合に限定して明確化するため、「招集する暇がないとき」を「議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」と改めた。
(4)議会が議決すべき事件を議決しないとき
議会の議決を要する事件について、議決を得られない一切の場合であって、議会が故意に議決を引き延ばすなどして積極的に議決しない場合だけに限らず、天災地変その他何らかの事由で議決が得られない場合等も含まれる。(省略)

2 議会への報告と承認
町村長が専決処分をした場合は、次の会議において報告をし、承認を求めなければならない(法一七九Ⅲ)

次の会議とは、専決処分をした後、招集される議会の最初の本会議をいい、臨時会も含めるものとされている。
この承認は、町村長が、議会に代わって行った意思決定の責任を解除する重要な意義を持つものである。したがって、議会は、承認を求められたら慎重な検討を加えた上で、承認・不承認を決めるべきである。
もし、招集する時間的余裕があったと思われるのに、町村長が主観的に時間的余裕がないとして専決処分をしたというようなことがあれば、議会としては、毅然たる態度で不承認として、町村長に反省を与え、今後を戒めるべきである。

『議員必携』(全国町村議会議長会編) P338-P339

時間的余裕があるのに専決処分するのはダメ。

だから、承認を求められたら、議会は不承認とすべき。

これが、本来、議会のあるべき姿だということです。

議会は役所の追認機関ではありませんので。

では、むつ市議会は?

結局、賛成多数で承認しました。

自分は当然反対しました。反対討論もしました。

一方で、この内容に対し、あえて賛成意見を表明した議員もいました。

市役所の説明をただなぞってるだけに聞こえましたが(棒)

いずれにしても、この違法でおかしな専決処分を、むつ市議会としても認めてしまった形となりました。

市役所におもねったのか、法律が読めないのか。それはわかりません。

討論内容はこちら(令和7年6月26日 第264回定例会最終日)

【動画】1:08:45くらいから始まります

https://www.youtube.com/watch?v=3rkrxPd8PZc&t=4203s

【議事録】PDFの16ページ~18ページ

https://www.city.mutsu.lg.jp/gikai/kiroku/files/264-6.pdf

結論

市役所の言い分には、無理があります。

法律を自分たちの都合の良いように解釈しています。

というよりもむしろ、解釈すらしていないと言った方が正しいかもしれません。

事務的な理由で専決処分ができるなんて、そんなことを匂わせるような条文も解説も、一文たりともないのですから。

だから、「地方自治法を無視した」という表現の方が適切かもしれません。

まだ市役所で働いていた頃、市民に次のようなことを言われたことがあります。

「税金を納めるのをたった1日忘れていただけで延滞金をとられた」

決して払わないつもりではなく、うっかり忘れて、納期限をたった1日過ぎただけ。

税金を払う市民の立場になれば、気持ちはよくわかります。

でも、公務員の立場で考えれば、延滞金という対応は仕方ないと思います。

なぜなら、それはルールとして決まっているから。

ルールがあるからこそ、延滞金という厳しいこともお願いできます。

それなのに、市民にルールの遵守をお願いする市役所が、自らルールを破ってしまった。

それも、地方自治の根幹である地方自治法を。

自分たちの信頼を自分たち手で貶めている。

その自覚を持つべきだと思います。

今回の件の何が怖いかって、根拠のない専決処分が可能ならば、議会のチェックも承認もなしに、あらゆる制度を変えられてしまう恐れがあるということです。

それに、法律の解釈を市役所に都合よく捻じ曲げられたら、もう何でもアリになってしまいます。

本来法律で「できない」と規制されていることに手を付けてしまうかもしれないし、法律で本来「できる」と規定されている制度の利用を役所の都合で拒否されるかもしれません。

そしてもっと怖いことは、

この誤った専決処分の解釈が、幹部を含む多くの関係者の目をすり抜けて、議会まで上がってきたという現実です。

おかしいとすら思わなかったのか。

おかしいと思ったけど、周りの顔色を伺って意見しなかったのか。

意見したけど、組織の中で封殺されたのか。

何が起こっているかわかりませんが、組織として致命的な欠陥を内包しているように感じます。

そしてこの欠陥が、いずれ、もっと大きな不祥事として爆発する。

そんな日が訪れるのも、そう遠くはないのではないかと危惧しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

専決処分

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