こんにちは。
むつ市議会議員の高橋です。
今回のテーマはこれです。
予算もないのに市役所がTikTokを勝手に始めていいのか?
いや、いいわけないだろう。
という話です。
はじめに/TikTok事業の概要
はじめに、むつ市が公募している事業の概要を整理します。
| 業務名 | むつ市TikTok動画制作等業務委託 |
| 予算額 | 96万8000円 |
| 申込期間 | 令和8年5月29日~6月10日 |
| 委託内容 | 市長出演動画の企画、シナリオ作成、撮影、編集、修正、公開 |
| 動画の長さ | 1分~3分 |
| 動画本数 | 年20本 |
詳細は市のHPからご確認ください。
https://www.city.mutsu.lg.jp/work/bid/proposal/2026-0528-TikTok.html
問題点①/予算がない
市がTikTokをやることの、何が問題なのか?
それは、予算がないのに、約100万円の予算をかけて事業を始めたことです。
予算がないのに、市役所がどうやって事業を始めたのか?
実は、Youtubeの予算を一部組み替えたそうです。
YouTubeの業務委託料は、令和8年度当初予算で、391万2000円です。
このうち約100万を減らして、TikTokに回したということです。
中国資本のSNSを使うことの情報セキュリティ問題は、今回は触れません。
本当は大事な問題です。
でも、使うか使わないか、どちらが正解とはハッキリとは言えないと思います。
だからこそ、本当は真剣に議論すべきとは思います。
ちなみに、自分はTikTokアカウントは作っていません。
問題点②/議会の議決もない
具体的に、何を問題視しているか。
それは、3月の議会で当初予算を議決したのに、すぐ5月に予算の組み換えをしたということです。
つまり、議会における予算の審査と議決の意味が失われた、ということです。
YouTubeの予算391万円は、YouTubeに使うという目的の上に、成立しています。
何に使うかわからないけど、391万円あげるから有意義に使ってね、というお金ではありません。
なので、YouTubeに使ってと渡したお金を、勝手にTikTokに使っていたら、ダメなんです。
学校の校舎を直すため予算で、車を買ったらダメじゃん。そんな話です。
しかも、3月議会の予算審査特別委員会の中で、このYouTubeの予算について質疑がありました。
その中で、「令和7年度と比較し、1本あたりの動画を長くして、その分撮影本数を減らす」予定であること、動画本数は「年間16本」の予定であることが説明がされました。
この時点で、TikTokのことには一切触れられていません。
まさかTikTokをやるとは、誰も思いもしません。
それが3月のことです。
もし、TikTokをやるつもりがあったなら、議場のその場で説明すべきです。
そんな説明は一切なかった。
その場にいた市役所関係者の誰も、訂正をしようとしていません。
それなのに、年度が変わってすぐ、別事業に予算の組み換え。
普通はあり得ません。
一体、何のために予算を審査したのか?
あの時の説明は何だったのか?
もし、予算委員会の時にすでにTikTokが念頭にあったとすれば、完全な虚偽答弁ということになります。
念頭になかったのであれば、議会閉会後=予算確定後に、発案したことになります。
業務委託の公募は、5月29日に始まっています。
そうなると、5月上旬には、書類の準備に着手していなければいけません。
となると、すでに4月には、検討に入っていた可能性すらあります。
予算を議決したのが3月です。
繰り返しますが、議会の議決なしに予算は成り立ちません。
何のための議会、何のための予算審査なのでしょうか?
高橋議会(=市民のチェック)なんてなくてもいい、という独善や驕りを感じます。
問題点③/補正予算も組まない
年度途中で新たに予算が必要になる場合は、当然あります。
その際の正しい手続きは、「補正予算」を組むことです。
補正予算案を議会にかけ、説明して議論して、議会の議決により、予算を増額します。
市議会の定例会は年に4回あります。
直近は、今の6月定例会です。
議会で議決を得たら予算が確保できますので、6月から委託事業者の公募を行うことができます。
今、市役所が進めている作業と、たった1か月の差しかありません。
補正予算を議会にかけることすらも待てない、それほどに急ぐことがあるでしょうか?
TikTokの動画投稿に、緊急性があるでしょうか?
そもそも、そんなに大事な事業なら、なぜ当初予算に計上しなかったのでしょうか?
そしたら、もう4月には事業者の公募に着手できたのに。
高橋なので、「思い付き」程度の事業ではないかと勘繰りたくもなります
問題点④/予算100万円は妥当なのか?
みなさんは、TikTokに100万円をかけることが妥当だと思いますか?
あるいは、動画作成1本5万円という単価設定が妥当だと思いますか?
予算100万円÷動画本数20本=1本5万円
これが妥当かどうか、議会で一切議論していません。
プロに頼めばそのくらい妥当という人もいれば、学生が無料で使っているSNSにお金をかける意味があるのかという人もいると思います。
そもそも、我々には相場感がわかりません。
その状態で、市民の税金を使っていいのか、という話です。
市の年間予算400億円からしたら、たった100万円です。
でも、市民感覚からすれば、100万円は大金です。
その感覚のバグをなくすべきだし、
市の財政健全化とは、こういう細かい予算の精査の積み重ねだと思います。
そういう議論を一切していません。
議論したら、誰かから反対意見が上がるかもしれませんよね。
でも、そのプロセスをすっ飛ばしてしまうのが、今のむつ市役所です。
問題点⑤/予算を他に使うべきでは?
もうひとつ大事な視点は、
その100万円は、他に使った方が有意義ではないかということです。
例えば、一部の学校では予算が足りず、本来は学校予算で買うべき備品を、保護者のお金で買っています。
100万円あれば、保護者からの集金額を減らすことができます。
例えば、中学校の図書室の図書購入費として、国から財政支援が約380万円ありますが、そのうち実際に中学校に配分されている図書費の予算は、年間わずか80万円です。
100万円あれば、図書室の蔵書数を倍増させることができます。
例えば、障がい福祉における「地域生活支援事業」(日常生活用具や訪問入浴)の、利用者負担の総額は約74万円です。(令和6年度決算額)
100万円あれば、自己負担ゼロを実現できます。
他にも、これまで市役所に要望したのに、「予算がない」と断られたことはありませんか?
それって、100万円あったら、実現できる可能性はありませんか?
果たして、TikTokに100万円をかけることは、予算の使い方として正しいのでしょうか?
まとめ
以上がTikTok事業の問題点です。
自分は「議会軽視」という言葉が嫌いです。
議会が偉そうな印象を受けるので。
でも、我々議員は、市民の代表として、市民の代わりに議場に立っています。
そう思うと、議会を軽視することは、すなわち市民を軽視することに他なりません。
市民のために働く市役所が、市民を軽視していいわけがありません。
市民を軽視した市役所を、議員が黙認していいわけもありません。
100万円のTikTok業務委託料ですが、
これを放置することは、市役所による予算の私物化につながりかねない。
そういう問題意識を持っています。
ちなみに、TikTokの業務委託については中止する予定はないそうです。
どのような効果が得られるか、注視していきましょう。


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