むつ市議会議員の高橋です。
突然ですが、学校の図書室の本は、誰のお金で買っているか知っていますか?
かなへび役所の「公費」予算?
アカハライモリ保護者の「私費」?
実はどちらも正解です。
具体的には、学校図書費として、公費の予算がついていますが、
足りない分は、保護者からの学校徴取金(諸費)や、PTA会費などで購入しています。
でも、学校図書は学校備品です。
だから原則は公費で購入すべきものです。
学校図書は公費が原則/私費で買う理由
学校備品である学校図書は、公費で購入すべきものです。
なのに、なぜ保護者の私費を使っているのか?
ここでもまた、「同意」や「共通理解」という都合のいい言葉が使われます。
たしかに公費で購入すべきものだけど、保護者の同意や理解を得ているから、私費を使っても問題ないという考えです。
では、なぜそもそも学校図書費の予算を増やさないのか。
「学校に本は足りている」という認識です。
おかしくないですか?
公費で買って本は足りてるのに、さらに保護者のお金を使って本を買っている。
足りているなら、保護者のお金はいらなくないですか?
答えはこうです。
公教育としての一定の水準を保つための本は足りている。
学校と保護者の共通理解により、プラスアルファの分を買っている。
必要な水準の本は確保できている。
だけど、保護者がプラスアルファの教育を望んでいるから、その分は保護者のお金で買っているんだそうです。
高橋田名部方面の学校の保護者のみなさん
本当に希望しましたか?
本当に同意しましたか?
ちなみに、自分には「プラスアルファ」という考えが理解できません。
プラスアルファまで含めて、公教育としての水準を高めるべきだと思います。
今回は難しいことではないです。
本を買う予算を増やすだけなんですから。
基準に達していない蔵書数
学校の図書室の本の数は、文科省が示している基準に達していません。
文科省 令和2年度「学校園書館の現状に関する調査」結果について
https://www.mext.go.jp/content/20220124-mxt_chisui01-000016869-1.pdf
PDFの25ページ目、資料のP21に、青森県内の状況が載っています。
蔵書数は足りていないのに、公費の予算で十分だと言って、プラスアルファと言って保護者の私費で買う。
この意味不明な説明に納得できる保護者の方はいるのでしょうか?
高橋自分には永遠にムリそうです
地方交付税から学校図書を考える
国から財政措置があるのに予算が増えない
国は、学校図書充実のための財政支援を用意しています。
国から市に入ってくる地方交付税の中に、学校図書の分が含まれています。
だから、最低でもその分は、学校図書に使うべきですよね。
でも問題があります。
地方交付税は一括で入ってきます。
むつ市の場合、年間約100億円です。
100億円がドンと入ってきますが、その細かい内訳は国から示されないんです。
(計算式はあるので、おおよその計算はできます)
なので、学校図書の分として、いくらが地方交付税で入ってきたか正確にはわかりません。
そして、地方交付税は使い道が決められていません。
なので、
学校図書費分として入ってきたお金を別の事業に使う、ということができてしまいます。
地方交付税の計算式
文科省が試算方法を示しています。
この資料に基づいて、計算ができます。
例えば、全校12学級の学校の場合、
12学級×39.1千円=469.2千円(46万9200円)
という計算になります。
学校で本を買う分として、地方交付税に46万円が含まれている、という意味です。
むつ市の実情に当てはめてみる
むつ市内の小中学校に当てはめると、次のようになります。
令和6年度の条件で計算しています。
学校に配分されている図書費が、全然足りていないのがわかります。
交付税で措置されているはずの2割程度しか、学校へ配分されていません。
恐らく、差額は学校図書以外の別な経費に消えていると思います。
実はそのことは市長も言外に認めていて、交付税の基準財政需要額はあくまで基準だから、市の実情にあわせた財政運営をしなければいけないという説明でした↓
普通交付税の話をいたしますと、まず基準財政需要額、これは消防費、医療も含めて基準財政需要額の中で入ってきておりますけれども、その中で、入ってきた基準財政需要額で算定された数字よりも当市の場合は行政面積も広いおかげもありまして、多く費用がかかっているところもあります。全てがその中で基準となる、標準的となる算定をされているだけであって、それが当市と全く同じように財政運営をしてくださいということではありませんので、そのことはご理解いただきたいと思います。
むつ市議会第262回定例会 一般質問(12月6日)
教育費という意味では、今年度は防災食育センター等も整備しております。かなり大きな予算が教育費の中にありますので、来年見ると、大分縮小したように見えますし、そういうことを高橋議員おっしゃっていることではなくて、多分ソフトの事業の中身のことをお伝えしていただいているのだと思います。そのことについては今年度もこどもたちの予算が拡充というか、こどもたちの人数は減っていますので、それの中でも予算が減らないように。
ただ、今年度の予算編成方針の中では、教育委員会だけではなくて、全庁的にマイナス5%のシーリングをかけさせていただいております。これは、物価高騰の中でもこういうのをやるのは、高橋議員おっしゃっていた人的リソースも含めて、全て市民の皆さんの求めに対応できればいいと思いますけれども、ヒトもモノもカネも含めて資源には限りがありますので、その中で予算を、教育委員会の予算も含めて今後検討してまいりたいと考えております。
それは、仕方のない部分もあると思います。
でも、どうしても納得できないのは、そう言いながら、保護者の私費で本を買っていることです。
先ほどの表の、一番右端を見てください。
学校徴取金として、図書費を集金している学校があります。
やはり、ここがどうしても納得いきません。
繰り返しますが、予算が十分であるならば、私費を使ってまで本を買う必要はありません。
どんなに強弁を張っても、私費を使って本を買っていることこそが、予算不足の動かぬ証拠です。
まとめ
むつ市内の小中学校の図書室の本の数は、
文科省が示した水準に足りていません。
それでも十分だというのが、教育委員会の見解です。
総務省から地方交付税として、学校図書分が入ってきていますが、
学校図書にあてられているのは、ごくわずかです。
本は学校に足りているからという理由です。
で、一部の学校では、保護者の私費を使って本を買っています。
矛盾だらけの学校図書。
まずは私費購入をやめ、全額公費負担すべきだと思っています。
その上で、蔵書数の議論をすべきだと。
実際、私費を公費に置き換えたところで、高額な予算が伴うわけではありません。
教育環境の充実以前に、おかしいお金の流れを改めましょうという話でもあります。
高橋年間50万円をケチった結果がこの現状です
その上で、図書室の環境充実のために、自分は予算を増やした方がいいと思います。
図書室なんて使われてないから不要、という人もいます。
でも図書室が使われないのは、おもしろそうな本がないからではないでしょうか?
大人が予算をケチったばかりに、並んでいるのは長年置きっぱなしの色あせた本ばかり。
子どもが興味を持って手に取るのか疑問です。
同じ小説でも、カバーを入れ替えただけで、印象が変わります。
同じ太宰の小説でも、20年前に出版された文庫と、最近の文庫では見た目の印象が異なるはずです。
そういう図書の更新の仕方もあると思います。
補足/私費で買った本は誰の物?
どうでもいいようで、大事な話をします。
保護者の私費(学校徴収金)で買った本は、誰の物でしょうか?
学校徴収金は、必要があって保護者が学校に預けたお金です。
学校への寄付金ではありません。
なので、私費で買った本は、あくまで保護者のお金で買った本になります。
そして、1人1冊の購入ではありません。
数百円ずつ出し合って買った本です。
その本は誰の物なのでしょうか?
また、その本は学校の図書室に置かれています。
公費で買った学校備品と並んで、同じように置かれています。
私費で買った物品を学校備品にするためには、寄付を受けたという手続きが必要です。
保護者から学校が寄付を受けたという公的な手続きがあれば、学校備品として扱うことができます。
数年分の寄付の書類を開示請求しましたが、私費で購入した本の寄付の痕跡はありません。
では、その本は誰の物なのでしょうか?
面倒くさいことではありますが、そういうことを考え、理論武装して臨むのが公務員の仕事です。
正当な理屈が成り立たないものは、やってはいけない、という判断になります。
深く考えず、やってしまって、後から理屈をつけようとすると、こういうことになります。
高橋こういう面倒くさいことを、若い頃は散々言われてきました。
でも、考えてみれば当たり前です。
法的に不備のある仕事を公務員はしてはいけないんですから。
だから今の市役所の幹部のみなさんもわかっているはずです。
わかってて、でも言えないんですよね。
学校徴収金は、学校への寄附金ではありません。
また寄付の手続きがない以上、その本は学校備品にはなり得ません。
私費で買った本には、すでに卒業した児童生徒のお金も含まれています。
それをどうやって卒業生に還元するのか。
受益者負担とするのであれば、その本は学校にあってはならず、児童生徒の所有でなければなりません。
簡単に言うと八方塞がりです。
無傷で乗り切ろうとするのをあきらめ、どこかで非を認め、誰かが責任をとって、私費のあり方を適正化すべきです。
こうなるから、安易に私費に頼るべきではないんです。
図書費だけに限らず、学校に関する私費すべてに共通して言えることです。
理屈のつかないお金を、人からとろうと思うべきではないんです。
「子どもたちのため」
この言葉で思考停止に陥るのは、やめなければいけません。
「ならぬものはならぬ」
こういう時こそ、先人に学ぶべきでしょう。
おまけ/市役所の言いがかりとその対策
細かい話になるので、ムリに読まなくていいです。
ここで、学校予算を増やしたくない役所側からの言いがかりが想定されます。
言いがかり①/基準の年度が違う
文科省の資料の一番下に、小さく※が付いた備考欄があります。
そこに「令和6年度ベース」と記載されているのがわかります。
地方交付税の算定基準は毎年変わります。
なので、正確ではないという言いがかりが想定されます。
正確ではないにしろ、大きく増減しないので、目安として捉えればいいです。
ただ、不正確であることをもって、あるいは議員側の論理の不備をもって、議論をうやむやにしようとされることがあります。
この場合、地方交付税の単位費用の数字を入れ替えることで、対応可能です。
文科省の試算資料の左下の備考欄の数字を入れ替えればいいです↓
【地方交付税の算定に用いる標準施設の状況】
※1 学校図書館図書整備の一般財源(704 千円)/施設規模(18学級)=1学級当たりの一般財源(39.1 千円)
※2 学校図書館図書整備の一般財源(916 千円)/施設規模(15学級)=1学級当たりの一般財源(61.1千円)
入れ替える数字はこれです↓
令和7年度分 単位費用算定基礎・標準団体行政経費積算内容
https://www.soumu.go.jp/main_content/001024230.pdf
教育費の項に「学校図書館図書」とハッキリ書かれています。
言いがかり②/基準財政収入額を考慮してない
地方交付税の金額は、次のような計算で決まります。
基準財政需要額-基準財政収入額=地方交付税
地方交付税とは、簡単に言うと、自治体だけで足りないお金を国が補填してくれているということです。
行政運営に必要なお金(需要額)はこれくらいだけど、自分たちで用意できるお金(収入額)はこれしかない、この差額を補填してくれるのが地方交付税です。
実際の例でいうとこんな感じです。
| 基準財政需要額(A) | 基準財政収入額(B) | 地方交付税(A-B) |
|---|---|---|
| 16,574,685千円 | 6,019,295千円 | 10,555,390千円 |
| (165億7468万5000円) | (60億1929万5000円) | (105億5539万円) |
先に紹介した文科省の試算方法は、あくまで基準財政需要額の算定に使う数字であり、基準財政収入額を差し引かないと、本当の学校図書分の経費は出せないという理屈です。
実際に、議場でもそのような答弁でした。
でも、あらためて考えてみると、基準財政収入額の積算に学校図書には関係ないと思います。
総務省HPからの引用です。
基準財政収入額 = 標準的税収入見込額 × 基準税率(75%)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/kouhu.html
税収の見込み額に、一定の率を乗じて、算出する。
学校図書が関係する要素は見当たりません。
だから、単なる言いがかりとしてスルーしていいと思います。
高橋こちらに知識がないことを利用して、いろいろ理由をつけて、話をわかりにくくして、議論をうやむやにする、そういうやり口の好例ですね。

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