むつ市の財政を考える|財政調整基金が2.8億円でヤバい

むつ市の財政調整基金

こんにちは。

むつ市議会議員の高橋です。

今回は、むつ市の財政について考えたいと思います。

ひとくちに「財政」といっても範囲が広いので、

「財政調整基金」に絞って書いていきたいと思います。

目次

財政調整基金とは

財政調整基金は、家計で例えるところの「貯金」にあたります。

事業を進めていく中で予算が足りなくなった時や、

災害や大雪など想定していなかった経費が発生した場合に、

備えて貯めています。

高橋征志

突発的な出費が必要になった時、貯金を切り崩すイメージです。

ちなみに、この他にもいろんな基金があります。

ただし、それらは使える目的が決まっています。(森林整備とか、地域振興とか)

財政調整基金はそれが決まっていない。

何にでも使えるという点が特徴です。

除雪の予算が足りなくなった時も、財政調整基金から支出します。

例えば、「森林整備の基金」はお金が余っていたとしても、除雪には使えません。

基金残高と適正値

2026年(令和8年)は、大雪で除雪費が膨らみました。

数回補正予算を組み、財政調整基金を取り崩しました。

結果、2026年3月時点の財政調整基金の残高は、2億8000万円まで減りました。

実は結構ヤバいです。

ゼロではないけど、ほぼゼロに近いと言ってもいい金額です。

国の基準では、「標準財政規模」という指標の10%程度が適正値とされています。

むつ市の標準財政規模は約180億円なので、

財政調整基金の適正値は18億円となります。

適正値18億円
残高(2026.3月)2.8億円

残高は適正値のわずか15%です

長期計画上の目標は達成不可能

むつ市の財政調整基金の適正値は、およそ18億円です。

むつ市の長期計画である「むつ市総合経営計画」においては、目標を17億円以上としています。

残念ながら、目標達成は不可能です。

これは議会において、市も認めています。

高橋征志

市の10年計画の目標が達成できないという、別の問題にも派生します。

基金が減った原因

これまでの議論の中で、市から説明のあった主な原因です。

当然ですが、ムダづかいの可能性には、自ら言及することはありません。

  • 災害や大雪などの、突発的な事案へ対応したため
  • 補助事業において、当初の想定よりも補助額が少なくなったため
  • 市債(借金)の返済を優先的に行ったため
  • 物価高騰や人件費上昇により、市の固定費が増額したため
所見

「当初の想定よりも補助額が少なくなった」という理由は、実はあまり良くないと思っています。

補助金の補助率が変わったり、補助対象となるはずの経費が対象外となったり、ということですが、

言い換えると、「事前の想定が甘かった」ということでもあります。

当然、事業を進めるうえで想定外のことは起きるものです。

ただし、想定外が起こり過ぎると、今回のように財源不足となり、基金を取り崩すことにつながります。

簡単に言うと、予算のアテもないのに事業をしたことになりますので。

そもそも、そんなに補助金が少なく、市の負担が多いなら、議会で予算を承認しなかったかも、という話にもなります。

10億円の事業に対し、「ほぼ全額補助がある」と、「補助金は8割で2億円の市の負担がある」とでは、判断の前提条件が異なりますから。

財政は危険水域

基金の残高は2億8000万円まで減少しました。

適正値のわずか15%しか貯金がありません。

今、財政難の自治体が全国で増えています。

財政難を乗り切るために、

市民サービスの縮小、公共施設の廃止、手数料の値上げなどが行われ始めています。

それらに自治体が共通して口にしているのが、「財政調整基金の枯渇」です。

市の財政が、すべて財政調整基金の残高で決まるわけではありません。

しかし、他山の石として、むつ市も危険な状態にあると認識する必要があります。

2026年3月議会の時点では、市民サービスの縮小などを検討する段階にまでは悪化していない、というのが市の認識です。

今後のこと

市でも、地震や大雪への対応について、国に財政支援を要望しています。

なので、基金の残高を、2億8000万円から上積みできるかもしれません。

決算してみれば、節約による余剰分を、貯金に回せるかもしれません。

でも、すぐに適正値まで回復することはありません。

数年はかかります。

その間に、むつ総合病院の新病棟建て替えが行われます。

そうなると、市からむつ病院への財政支援が必要となり、

財政のあらゆる指標は悪化します。

正直なところ、むつ市の財政にとって「明るい話はない」と言い切っていいと思います。

物価は上がり続けます。

イラン情勢をはじめとする国際情勢の余波を受け、

物価高はさらに拍車がかかると思います。

物価高騰の影響は深刻です。

家計も同じですが、全く同じ物を買うのにも、これまでよりも価格が高くなっています。

つまり、市民サービスを現状維持するだけで、予算が増えてしまうことになります。

結果として、市全体の予算が圧迫されます。

新規事業の見送りや、現状の市民サービスの縮小を検討せざるを得ない状況に陥る可能性は十分にあります。

その中で、財政危機に陥らないようにしながら、

市民の日々の生活を守りつつ、

10年20年先の未来を見すえて、必要な投資をする。

そのバランス感覚が求められます。

不要な事業は、廃止しなければいけません。

何のためにやるのか、目的が曖昧な事業も見合わせるべきです。

成果が出ていない事業も、損切りの判断が必要です。

そうしないと、本当に必要な分野に必要な予算が配分できなくなります。

市の建物は新しくなったけど、福祉サービスは悪化した。

なんてことを望んでいる人は、誰もいないはずです。

令和8年度のむつ市の当初予算は405億円です。

規模が大きくなると「木を見て森を見ず」が起こります。

市役所の各部署の個別最適が、市としての全体最適につながるとは限りません。

全体像がしっかりと把握できているか?

全体を正しくコントロールできているか?

しっかりとコントロールできなければ、船が沈む。

そういう危機感を持たなければいけないと思います。

そういう視点で、これからも市の財政を見ていきたいと思います。

なぜ、その予算が必要だと思うのか?

あるいは、なぜその予算に反対なのか?

人によって、考え方が異なると思います。

ムダを省き、本当に必要な分野に、必要な予算を投下しなければいけない。

だからぜひ一度、市の予算、市の財政を、自分ごととして考えてみていただければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

むつ市の財政調整基金

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